【大学生で発達障害とわかった私の日記】大学生活をふりかえって

ブログ 「大学生で発達障害とわかった私の日記」

こんにちは!
またまたお久しぶりになってすみません。

アクセスいただきありがとうございます!今回は第6弾のブログになります!

いきなりですみませんが、今回のブログが最終回となります。すみません(泣)

前回のブログの方で書かせていただいていた卒論の方は無事に終わることができました。卒論を経験された方はわかると思いますが、すごく大変でした(笑)

でもいざ、完成すると出来上がった達成感ともう卒業なのかといった寂しさといろいろな感情が湧き出てきました。

4年間の大学生活では様々なことがありました。
その中でも1番大きかったのはやっぱり発達障害の診断がおりたことでした。

診断がおりた時はどうなることやら、
この先どうしていけばいいかと不安な毎日を過ごしていましたが、
こうしてブログを始めたことも、読んでいただいている方との繋がりができたのは
逆に診断がおりたからだと思うと、
あの時、精神科に行き一歩踏み出してよかったのかなぁと思います。

人生は何が起こるかわかりません(笑)

このブログは当事者の1人として発信してきましたが、1人でも多くの人に発達障害を理解してもらう、当事者理解に繋がっていればいいなぁと思います。
あまり更新はできませんでしたが、ブログを読んでいただきありがとうございました。

【大学生で発達障害とわかった私の日記】大学生活と障害(2)

こんにちは!
ずいぶんとお久しぶりになってすみません。

アクセスいただきありがとうございます!今回は第5弾のブログになります!

今回は前回の続き、大学での困りごとについて話したいと思います。

今大学4回生なので、卒論というものの真っ最中です。
そしてその卒論でも、けっこう困っていることが多く出てきている状態です。

第二回のブログでまっちゃの発達障害の特性を述べたのですが、並行作業、過集中傾向が目立ってきていて今、少し壁にぶち当たっています(笑)

並行作業に関しては卒論ばかりしか頭になくなってしまい、
例えばこのブログがおろそかになっていたり、他の作業を後回しにしてしまっていて、
気づいたらその後回しにしていた内容の期限が迫って慌てる、パニックになる…といった感じです(笑)

また一回やりだしたら過集中気味になって、さらにきりのいいところまでやらないと嫌なのでずっとやってしまう癖があります。

そしてある程度進めて作業を止めると、すぐ横になってしまう、他の作業をする体力がなくなっていることもよくあります。

この過集中は、卒論をやっているときは自分が過集中になっているということは気づかないのでそれもまた問題なんです。
うまく説明するのは難しいのですが、やっているときは疲れを感じなくて、一通り作業が終わったら一気にしんどくなっていることに気づくという感じです。

「ちょっとここまでやったら休憩しよう」というふうになりづらく、それを外に出かける用事の前にやってしまうと、気づいたら外に出る時間になっていて、バタバタすることもしょっちゅうです(笑)

さらに一気にしんどくなる状態からの回復には時間がかかるので、卒論のやる気がでる日があまりなく、思ったよりも進んでいないです…。

でも卒業するのに単位は落とせないので、今まさに必死にやっているところです(笑)

今回のブログはこのへんで
いつもよんでいただきありがとうございます!!

次のブログがいつになるかはまだわかりませんが卒論がおわっているといいなぁとおもいます(笑)

【大学生で発達障害とわかった私の日記】精神科と大学生活について

こんにちは!
アクセスいただきありがとうございます!今回は第3弾のブログになります!

今回は通っている精神科についてと大学生活についてお話ししようかなと思います。

精神科について

皆さんは精神科と聞いてどんなイメージをもちますか?

おそらくほとんどの人は行ったことがなく「どんな所かわからない」という人が多いと思います。私も行くまでは、全く知識がなく最初に行くときはとても緊張しました(笑)

なるべく行かなくていいのなら行きたくなかったです。
でも行かなくてはいけないほど精神状態がボロボロでした。
初めて行ったのは大学3回生の秋学期でした。
(行った理由は前の第2回のブログに書いているのでそちらを見ていただけたらなと思います。)

そこから今は月に1回精神科に通っています。そろそろ最初に行ってから1年たとうとしています。
今になって思うのですが、私の場合は精神科にあの時行ってよかったなと思います。
行かなかったら発達障害がわからないままだったので鬱状態が続いていたんじゃないかなと思います。

大学生活について

私は現在大学4回生で大学に通っています。

大学では発達障害と診断される前の鬱状態に陥っていた時にはあまり動ける状態ではなく、人とも会いたくないと思っていたのですがそれでも週一回、大学の相談室にはお世話になって通っていました。

相談室に行ってもしんどくて全然話せなかったときもありました。

それでも相談を聞いてくださったカウンセラーの方は優しく聞いてくださいました。

そこから精神科や大学の就職課に色々と繋げてくださいました。

もしここに相談していなかったら多分大学に通える状態になかったのかなと思うと相談できる環境があってよかったなと思います。

私のように障害を持ちながらも大学に通っている方は多くいると思います。
しかし大学によって支援ができる範囲、支援の差があるのが現状です。

そういった支援の差を埋めていくにはどうしたらよいのかこれから考える必要があるなと思います。

といったところで今回のブログを終えようと思います!
読んでいただきありがとうございました!!

【大学生で発達障害とわかった私の日記】通院のきっかけ

こんにちは!
アクセスいただきありがとうございます!!第2弾になりますね。

今回は病院にいったきっかけについて話していこうかと思いますー。

その前にまっちゃの発達障害の特性を少し簡単に書こうと思います。

まっちゃの発達障害(自閉症スペクトラム(ASD)の特徴

① 曖昧な表現が苦手、わからないことが多い

「あれ、やっといて」の「あれ」とか「適当にやっといて」の「適当」とか

② 並行作業が苦手、過集中傾向がある

身近な例でいうと大学のレポートがいくつか重なったときです。
1つに集中したらそれに集中してしまうので他が進まないことがよくあります(泣)
また、作業などで集中しているときは気づかないのですが、作業が終わったときに始めて疲れを感じるので作業後はすごくしんどくなるということがあります。

③ 臨機応変な対応が苦手

これは大学に入って自分がはっきりと臨機応変に対応するのがいかに苦手か感じさせられました。特にゼミでの発表で感じることが多かったです。ゼミの際に求められる発表の多くは話の流れで突然話を振られるであったりします。その場面でどう答えたらいいかわからず戸惑ってうまく答えられなかったり、グループワークでも個人でやるレポートとは違ってそれこそ①の曖昧に言われることが多かったり、進め方に戸惑ったりすることが多く上手くグループの中に入れなかったりしていました。

病院にいったきっかけ

初回のブログにもあげたように、発達障害と1つに言っても特徴は人それぞれなんです。そして判明したきっかけももちろん人それぞれです。

まっちゃの場合は実習がきっかけで病院に行きました。簡単に言うと実習で躓いてしまったんですよね。「なんで自分はこんなこともできないのか」と責めて鬱状態になったんです。そして精神科(病院)にいきました。

その時は初診でいろいろ検査をしました。どんな検査をしたかというとあまり正直覚えていないのですが、1つだけはっきり覚えています。
その検査は人の目元だけが写された写真をみてそこからこの人がどういう感情、表情をしているのか4つの選択肢から選ぶといった検査でした。結果は半分しか正解することができませんでした。ショックでしたね。「半分しかわからないのか」と。

実はこれものちにわかるのですが発達障害の1つの検査だったんです。そういった検査をした後、結果として発達障害と診断されました。
この文からもわかるように、まっちゃは鬱状態で病院にいったら発達障害がわかったという感じです。

発達障害とはじめから疑って病院に行かれる方もいますが、このように何かの出来事でつまづいたり、責めたりして心がボロボロになり精神科に行くと後に発達障害だったとわかったという人もいます。

だからほんとに人それぞれです…。

第2回のブログはこの辺にして終わっておこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!

次のブログもお楽しみに!!!

【大学生で発達障害とわかった私の日記】自己紹介など

はじめまして!こんにちは!
まっちゃといいます。よろしくお願いします!
なぜこの名前にしたかというと単純にまっちゃが好きだからです(笑)
これからゆにでブログを始めさせていただくことになりました!

記念すべき初回は自己紹介などを書いていきたいと思います!

自己紹介

改めまして、こんにちは!まっちゃです!

私は今20代で大学生として日々過ごしております。一応4回生で、今絶賛就活中です!
就活についての詳しいことはまたおいおい書くことにしますね・・・。

私は「発達障害」の「自閉症スペクトラム」と診断されています。
大学3回生の時に診断されました。最近ですね(笑)
発達障害の場合は発達障害と診断されても1人1人特性や困っていることは違うのでこのブログで書いていることはあくまでまっちゃの体験談として読んでいただければなと思います。
他の発達障害の方に当てはまるとは限らないのでそこは注意してください。お願いします。

ブログを書こうと思ったきっかけ

このブログを読んで1人でも多くの人に発達障害について知ってほしいと思ったからなんですよね。あと単純に友達を増やしたかった(笑)
友達になってもいいよと思ってくださった方、ぜひ友達になってくださいね(笑)
っていうのはおいといて・・・。

発達障害というのは今でさえ理解が広まりつつあるもまだまだ職場や学校といった公共の場で理解が進んでいないんですよね・・・(泣)
このブログを読んで1人でも発達障害について理解していただき広めていただいて世の中がもっともっと理解が進み、発達障害を持っている方が住みやすい社会にしたいと思っています。

これからについて

このブログは主に発達障害のことについて(主にまっちゃの体験談が中心になりますが)書いていこうと思っていて、今のところは1年間を予定しています。だいたいペースとしては月に1回あげられたらいい方かなと…。
コロナが収まったら、当事者の方が集まった交流会とかも行ってみたいなと思っています。

これからの予定としては病院を受診したきっかけであったり今行っている就活について、就労移行支援とかも使っているので制度的なこともお話していこうと思っています。

では第1回目はこのへんで…。改めてこれからよろしくお願いします!!!

基礎教養の情報処理(ITリテラシー)科目の視覚障害学生の受講について(主に教職員向け)

ゆにでは、視覚障害学生の情報処理(ITリテラシー)クラスへの参加について問い合わせをいただくことがあります。ここでは、主に教職員の方に向けて、基礎教養としての情報処理科目について、サポート体制の整備や授業の進め方等を検討する際にポイントになると思われることをいくつか記します。
なお、具体的な対応方法は、科目内容や学生個々の状況、各大学の情報環境等により異なります。また、以下で示す考え方は、情報処理を専門に学ぶ科目の対応には当てはまらない部分もあります。より具体的な情報や体制整備のサポートが必要な場合は、お問い合わせください。

前提:目的、到達目標

日々の学習や研究、卒業後の就労等、生活のあらゆる場面で情報処理技術の活用が重要になることは、視覚障害学生も同じです。画面がまったく見えないユーザーであっても、文書やプレゼンテーション等の作成、表計算、ネットサーフィン、メール送受信はもちろん、プログラミング等の高度な処理を行うことも可能です。多くの視覚障害者が、学習・研究や就労等に情報処理技術を活用しています。情報処理技術を活用することで「見えない・見えにくい」部分を補うことができる場合も多いことから、特に視覚障害学生にとって、情報処理技術が社会参加の強力なツールになる側面もあります。基礎教養として情報処理を学ぶ(広い意味での)目的や到達目標は、視覚障害学生を含む学生全体に共通するものであることを、まず確認しておくことが重要です。

視覚障害学生のパソコン利用方法と特長

スクリーンリーダーを用いてキーボードで操作

画面が見えないユーザーは、画面の文字情報を音声で読み上げるソフトウェア(スクリーンリーダー)を用いて、マウスを使わずにすべてキーボードで操作することが多いです。

画面拡大ソフトウェアや外付けモニターを使用する学生も

弱視のユーザーのなかには、画面表示を拡大するソフトウェアを使用したり、OSやアプリケーションの画面表示設定をカスタマイズしたり、ノートパソコンに外付けのモニターを接続したりして、個々の見やすい表示環境に調整してパソコンを利用する場合があります。また、それらとスクリーンリーダーを併用する場合もあります。

スクリーンリーダーが読み上げるのは「文字情報」のみ

スクリーンリーダーが音声で読み上げるのは原則としてテキストデータ(文字情報)のみです。見た目上は文字として表示されているものでも、画像データ(jpeg、透明テキストが入っていない画像のみのPDF等)は基本的に読み上げません。したがって、テキスト情報のないアイコンや、文字が画像データで入っているアイコン等は中身を読み上げません。
*スクリーンリーダーのなかにはOCRで画像を機械的に日本語認識して読み上げるものがありますが、そうした機能を用いても、OCRの特性上正確に読み上げできるとは限りません

読み上げやキーボード操作が不可能な場合がある

画像データの他、アプリケーションやウインドウによっては、スクリーンリーダーによる音声読み上げやキーボード操作が不可能な場合があります。第三者による画面の読み上げや操作の補助、別のアプリケーションを試す等の対応が必要になります。

時間がかかることがある

画面の状況の把握や操作に時間がかかることがあります。特に、スクリーンリーダーユーザーも弱視のユーザーも、「画面全体を見渡す」ことが難しく、1つ1つアイコン等をたどるように操作しなければ確認や操作ができないことがあります。授業中に作業指示をする際はこの点を考慮することが必要です。

習熟度には個人差がある

音声読み上げや画面拡大、キーボードを用いた操作については、視覚障害学生自身がそれらを十分に習得できていないことがあります。これは、学生自身の得意・不得意ということとは別に、そうした操作について学生自身が学ぶ機会を得られていないことによる場合があります。

対応のポイント

視覚障害学生の受講に際して、各大学等では、補助者の配置や授業進行の配慮、個別指導への変更等の対応が行われています。望ましい対応についてはケースバイケースですので、ここではそれら対応を検討・実施する上での基本的な考え方をいくつか例示します。

「方法」を柔軟に

前述の通り、視覚障害のあるユーザーも情報処理技術を十分に利用できますが、キーボード主体の操作等、一般的な方法とは異なる方法を用いる必要があることがあります。したがって、そもそもの授業の目的や到達目標を見据えた上で、その達成に至る具体的な方法(習得させる操作方法等)については、一般的な方法にとらわれず、音声読み上げやキーボードにより操作可能な方法等に柔軟に調整することが求められます。

主体的に活用する力の習得

視覚障害学生にとって、音声読み上げやキーボード操作が不可能な場面での操作、視覚的な表現のコンテンツの処理等、視覚障害に伴ってどうしても難しい部分はあります。一方で、自力で操作できないことでも知識として知っておけば、自力では難しい部分について他者に協力を求めながら、主体的に情報処理技術を活用することができます。学習や研究、就労等のあらゆる場面での情報処理技術の活用においては、そうしたスキルが役立つことが多くあります。

事前の検証

授業実施に際しては、予定している内容のキーボードでの操作方法や、スクリーンリーダーの読み上げ可否等について、当該視覚障害学生の操作方法で対応可能かどうかを事前に確認・検証しておくことが望ましいです。

<検証ポイントの例>

  • マウスを使わず、Tabキー、Shift + Tabキー、Altキー、カーソルキー、Enterキー、Spaceキー等を用いて操作が可能か
  • 操作に「ショートカットキー」が設定されているか
  • 操作や確認が必要なアイコンが「画像」のみのアイコンになっていないか 等

第三者が補助する場合

以下のような補助内容が考えられます。なお、補助対象の学生が「すべてキーボードで操作する」場合、補助者もキーボードでの操作方法を(授業前に予め調べる等して)理解しておくことが望ましいです。

  • クラス全体にマウス操作前提の説明がされる際に、キーボードによる操作方法を個別に伝達
  • スクリーンリーダーで読み上げない、弱視の学生が見えない・見えにくい画面の読み上げや状況説明
  • マウス操作等、視覚障害学生の自力での操作が難しい部分の操作
  • 弱視の学生の場合、画面の必要箇所の指し示しやマウスポインタ移動の補助
  • 教員の指示通りの操作ができない場合、全体進行から遅れた場合等の教員への状況伝達

視覚障害学生がパワーユーザーの場合

視覚障害学生自身が、音声読み上げやキーボードを用いての操作方法等を調べたり、自力で操作できる部分とできない部分を自ら判断して表明したりといったことに長けている場合もあります。そのような場合は、常時補助者を配置するのではなく、当該学生から要請があったときにだけ適宜補助できるようにしておくという対応も考えられます。

進行の配慮

前述したように、視覚障害学生はその操作方法の特性上、他の学生に比べて作業に時間を要することがあります。補助者に個別対応を依頼する場合であっても、補助者に任せきりにすることなく、担当教員が適宜状況を確認することが重要です。

チームアクティビティ等

グループでのプレゼンテーション等、複数名で協力しての情報処理技術の活用について扱う場合は、視覚障害学生もそのチームの一員として役割を担う機会を保障することが重要です。補助者を配置したり個別指導をしたりしている場合、この点には特に留意が必要です。プレゼンテーションの構成の立案、コンテンツの文字部分の作成、発表原稿の執筆・読み上げ等、当該学生が担うことのできる役割それ自体をチームで検討するというのも1つの方法です。

課題(宿題)・テストを課す場合

音声読み上げやキーボード操作が難しいもの、画像や視覚的な調整を要するものは、単独での実施が難しいことがあります。そのような課題については、当該学生が操作可能な部分に集中して取り組んでもらう形にする、代替課題を課すといった対応が必要です。また、その場で実施・提出させる場合等では、所要時間の配慮が必要になることもあります。

<課題調整の例>

プレゼンテーション作成の課題で、文字部分は完成させ、画像やアニメーション等の視覚効果については、どの部分にどんな視覚効果を入れるかを第三者に指示するメモを作成
→情報処理技術を用いて、自分で難しい部分は「他者の協力」を求めながら目的を達成する力を身につける

参考資料

スクリーンリーダー

  • PC-Talker:日本で最もよく利用されているスクリーンリーダー
  • JAWS for Windows:世界各国で利用されている高機能のスクリーンリーダー
  • NVDA:無料・オープンソースのスクリーンリーダー
  • ナレーター:Windows標準搭載のスクリーンリーダー(Windowsキー+Ctrlキー+Enterキーで起動)

画面拡大ソフトウェア

  • ZoomText
  • 拡大鏡:Windows標準搭載の画面拡大機能(Windowsキー+「+(もしくは「;」)」で起動)

視覚障害者のパソコン利用についての情報

オンライン講義での遠隔文字情報保障の方法(ZoomとcaptiOnlineの事例)

新型コロナウィルスの影響により各地の大学でオンライン講義が急増しそうです。
障害学生にとっては、オンラインになることで「参加しやすくなる」こともあれば、「参加しにくくなる」ことも考えられます。
ゆにでは聴覚障害学生向けにオンライン講義と文字情報保障を併用する方法をテストしてみました。
その結果をふまえて、簡単にその方法と注意点を解説してみます。

ここではZoom(オンライン講義・会議システム)で行われる授業とcaptiOnline(遠隔文字情報保障システム)の2つを用いて授業の文字情報保障を行う方法を解説します。
おそらく別のシステム同士の組み合わせでも基本的な考え方は同じようになると思います。

準備するもの(例)

  • 講師
    • PC(配信用)
    • (以下、あれば)
    • マイク
    • WEBカメラ
  • 情報保障者
    • PC(入力・講義参加用)
  • 受講者(聴覚障害者)
    • PC(受講用)
    • スマートフォン(情報保障表示用)
  • ※PCもしくはAndroid(7.0以降)では受講と文字情報保障表示を1つの端末で同時に行うことも可能です。
    iPhoneの場合は画面分割ができないため、もう一台端末を用意する必要があります。

ネットワークとブラウザ(Google Chrome)とZoom(あるいはTeamsなどのクライアントアプリ)のクライアントはそれぞれの端末について事前に準備してください。

パターン1:主催者が字幕を配信

captiOnlineの閲覧画面に字幕が表示されているサンプル

情報保障字幕表示画面の例

講師側でスライドなどがない場合に情報保障字幕の画面のみを参加者全員に共有する方法

主催者

  1. Zoomで新規ミーティングを開始して、情報保障者全員を受講者と同じようにミーティングに招待。
  2. 主催者側の端末で、Chrome上のcaptiOnlineとZoomの両方を起動。
  3. 主催者側の端末でcaptiOnlineの閲覧ページを開き、Chromeを最大化しておく
  4. Zoomの「画面の共有」をクリックし、「view – captiOnline(beta)」を選択。
  5. ミーティングを実施。

利用者

  1. 通常の手順でミーティングに参加。
  2. 講師の画面共有が情報保障字幕として配信される

情報保障者

  1. 主催者から招待されたZoomミーティングに参加する
  2. カメラ・マイクはオフにしておく
  3. Chrome上でcaptiOnlineの入力者ページを開く
  4. Zoomは最小化しておいてもOK
  5. 授業が始まったら情報保障を開始する

パターン2:利用者がミーティング映像と字幕を1台の端末上で並べて表示

講師がスライドなど資料画像も送りたい場合

主催者側

  1. Zoomで新規ミーティングを開始して、情報保障者全員を受講者と同じようにミーティングに招待。
  2. 通常の手順でミーティングを実施。

利用者

  • Android(7.0以降)の場合
    1. ZoomとCaptiOnlineの両方を起動。
    2. ZoomとCaptiOnlineの両方が見えるように画面表示を調整。(Zoomを起動してからタスク画面から「画面分割」などをタップ。その後でChromeを起動しcaptiOnlineを表示する)
    3. Zoomで、①画面共有時に自動でフルスクリーン表示しないように、②参加社が画面共有した際に自動でウィンドウを最大化しないように設定。
    4. ミーティングに参加。

    Androidで講義資料(Zoom)と字幕(Chrome・captiOnline)を同時表示する例

    Androidで講義資料(Zoom)と字幕(Chrome・captiOnline)を同時表示する例

  • Windowsの場合
    1. ZoomとCaptiOnlineの両方を起動。
    2. ZoomとCaptiOnlineの両方が見えるように画面表示を調整。
    3. Zoomの設定画面から、①画面共有時に自動でフルスクリーン表示しないように、②参加者が画面共有した際に自動でウィンドウを最大化しないように、下の2箇所のチェックを外す。
      Zoomの設定画面
    4. ミーティングに参加。
  • 情報保障表示端末とZoom参加端末を別途用意する場合
    1. WindowsでZoomを起動。
    2. iPhoneなどでcaptiOnlineの閲覧ページを表示
    3. ZoomとCaptiOnlineの両方が見えるように機器の配置を調整。
    4. ミーティングに参加。

情報保障者

入力用captiOnline・ChromeとZoomを1つの画面に配置した入力者用画面の例(Windows)

入力用captiOnline・ChromeとZoomを1つの画面に配置した入力者用画面の例(Windows)

    1. 主催者から招待されたZoomミーティングに参加する
    2. カメラ・マイクはオフにしておく
    3. Chrome上でcaptiOnlineの入力者ページを開く
    4. [Windowsキー+カーソルキー左右] 等でcaptiOnlineとZoomの画面を左右に配置
    5. 授業が始まったら共有資料を参照しながら情報保障を開始する
    6. Zoom参加をタブレット等、入力をPC等に振り分けて行うことも可能

全体的な注意事項:

どの立場で関わる場合でも、2つのシステムを同時に使うことへの慣れが必要

主催側

  • 複数の発言者がいる場合「話者は発話する前に名乗る」ルールを徹底(対面時に比べて誰が話しているのかが分かりにくい)
  • 画面共有時には想定外の情報が漏れないように注意が必要

利用者

  • iPhoneではZoomと情報保障字幕の同時表示はできない(マルチタスク機能未対応のため)
  • トラブル時に対応できる人が近くにいないため、別の方法で連絡を取る必要がある

情報保障者

  • 2つの通信・処理を同時に行うため、ある程度のPCスペック・通信帯域が必要

その他の懸念

  • 外部の通訳者や受講登録者以外の学生がサポーターになる場合に、オンライン講義へのアクセス権を割り振る必要がある
  • ネットワーク経路や使用システムが多くなる分トラブルの可能性も増える
  • 慣れるまでは事前テストをしてみるなどして各参加者が操作に慣れる必要がある
  • Zoom自体にも「Closed Caption」という機能があり配信映像上に1行の字幕を入力・表示できるが、日本語での情報保障用途に使うには力不足の印象。現時点では専用システムを併用したほうが使い勝手が良い
    • ex.1行のみしか表示できない
    • 連系入力には非対応
    • 「Closed Caption」機能の日本語訳が「近接性」となっており設定項目がわかりにくい

その他ご相談

ゆにでは小学校から大学・企業等への遠隔情報保障の経験から、
オンラインで行われる授業に関するアクセシビリティについても相談をお受けしています。
オンライン講義でのアクセシビリティ・情報保障についてお困り事があればいつでもお問い合わせください。
お問い合わせページ

参考リンク

立命館大学生存学研究所主催 オンラインセミナー「新型コロナウイルス感染症と生存学」
オンラインセミナーにcaptiOnlineで字幕を付与した実例(リンク先に話者と文字通訳と手話通訳と資料を同時に表示する画像あり)
captiOnline(ウェブを活用した聴覚障害者のための情報保障実験サイト)
筑波技術大学 若月大輔先生によるウェブベースの情報保障システム
Zoomミーティング
Zoom Video Communicationsによるオンライン会議・講義システム
オンライン講義の通信量
大向一輝氏(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)によるZoom等オンライン授業の通信量の計測

聴覚障害学生・高校生エンパワメント研修会 ―合理的配慮と情報保障について知ろう!―のお知らせ

聴覚障害のある高校生、大学生のみなさん、「合理的配慮」って知っていますか?合理的配慮は、聴覚障害のあるあなたが、他の聞こえる学生と同じスタートラインに立つための、あなたの希望にフィットした、さまざまな支援のことです。
「合理的配慮ってよくわからないし、難しそう・・・」「私は支援を受けていいのかな?」「自分にとってどんな情報保障が良いのかわからない・・・」
そんなみなさんに、一日で「合理的配慮ってなに?情報保障ってなに?」がわかる研修会をご用意しました。教えてくれるのは、同じ聴覚障害のある大学の教員と職員、そして日頃から支援に携わるスタッフです。
 エンパワメントとは、自分の力が最大限発揮できるように、必要な力をつけること。
 研修会に参加して、一歩前に進んでみませんか?

日時

2020年2月9日(日)10:00~16:30

場所

京都市生涯学習総合センター(京都アスニー) 5階 第7研修室
京都市中京区聚楽廻松下町9-2
JR円町駅 徒歩20分/京都市バス 丸太町七本松下車すぐ

参加対象者及び定員

主に関西地区の聴覚障害のある高校生・専門学校生・短大生・大学生
10名(先着順)

参加費

無料

プログラム(予定)

10:00 開会、挨拶等
10:15 第1部:「聴覚障害学生にとっての合理的配慮って?」(仮)
 ・講師:甲斐更紗氏(群馬大学)、太田琢磨氏(愛媛大学)
 ・『聴覚障害学生サポートブック―18歳から学ぶ合理的配慮―』(PEPNet-Japan発行)をベースに、聴覚障害学生にとって大切な「合理的配慮」の考え方の基礎を学ぼう。※冊子は当日プレゼントします
12:15 昼休憩
13:15 第2部:体験「自分に合った情報保障手段を見つけよう!」
 ・講師: 窪崎泰紀、安田真之(特定非営利活動法人ゆに)、甲斐更紗氏(群馬大学)、太田琢磨氏(愛媛大学)
 ・手書きノートテイク、パソコンノートテイク、自動音声認識、手話通訳を見比べて、自分にはどんな支援が必要かを考えよう。
16:30 終了

参加申込

このページ下部のフォームよりお申し込みください。

申込締切

2020年2月2日(日)
※定員に達し次第締め切ります。

問い合わせ先

特定非営利活動法人ゆに 事務局(担当:窪崎、安田)
〒603-8354 京都市北区等持院西町60-10
Email:info@unikyoto.com
TEL: 075-468-1633
FAX: 075-468-1666

主催団体

特定非営利活動法人ゆに

ゆにでは、どの大学でも、障害学生が学びたいことを学べるようにすることを目指して、「障害学生支援事業」を行っています。障害のある学生ご本人はもちろん、障害学生の支援にかかわる学生や教職員の皆様のサポートも行っています。
ゆには、PEPNet-Japan正会員機関です。
ホームページ
http://www.unikyoto.com/

日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)

全国の大学などで学ぶ聴覚障害学生の学修環境向上を目的に、相談への対応、教材の開発、事例の構築・蓄積、シンポジウムの開催等を行う、大学・機関同士のネットワークです。
事務局は、聴覚障害者・視覚障害者のための我が国唯一の国立大学、筑波技術大学が担っています。
本研修会は、PEPNet-Japanリソース活用事業の一環で実施します。
ホームページ
PEPNet-Japan
http://www.pepnet-j.org/ 

国立大学法人 筑波技術大学 
https://www.tsukuba-tech.ac.jp/

参加申込フォーム

    以下に必要事項を入力し「送信」ボタンを押してください。
    ※申込はご本人によるものを基本とします。保護者との相談が必要な場合は、相談しながらご本人が入力するようにしてください。

    お名前(必須)

    フリガナ(必須)

    自宅住所(市区町村まで、必須)

    例:「京都市北区」、「京都府亀岡市」

    メールアドレス(必須)

    ※受付確認等のメールは「unikyoto.com」ドメインから送信されます。特に携帯メールアドレスをご利用の方は、申込前に今一度メールの受信設定(迷惑メール設定、ドメイン指定受信等)の確認をお願いします。

    FAX番号(任意)

    区分(必須)
    高校生専門学校生短大生大学生

    所属(必須)

    ※高校生の方は、学校名・年次をご記入ください
    ※大学生・専門学校生・短大生の方は、大学名・専攻・年次をご記入ください

    ご自身の聴覚障害の有無(必須)
    ありなし

    希望する情報保障手段(聴覚障害ありの場合は必須)
    ※複数選択可
    手話通訳パソコン文字通訳その他(補聴援助システムなど。具体的な配慮については、次の入力欄に記入してください)

    その他の配慮事項(任意)

    具体的に希望する補聴援助システムがある場合や、手話通訳・文字通訳以外で必要な配慮がある場合は、こちらに記入してください。

    研修会に申し込んだ理由(必須)

    送信後、入力内容の確認画面は表示されません。

    学生の長期休暇におすすめ!ヘルパー資格取得、PCテイク

    学生の長期休暇におすすめ!ヘルパー資格取得、PCテイク

    冬休みが近づいてきました。
    学生の皆さん、冬休みや、その先の春休みの予定はもう決まっていますか?
    特に2月~3月、学生さんのなかには、春期休暇で比較的自由な時間がたくさんあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    帰省、旅行、バイト、車校等等、早め早めに計画し、準備をされている方も少なくないと思います。
    社会人になると、長い休みをまとめて取れないことが多いので、ぜひ学生のうちに、長期休暇を生かしていろんな経験をしてください。

    キャリアアップにもおすすめ、2つのヘルパー養成研修

    長期休暇には、新しいことをはじめたり、資格取得やキャリアアップにチャレンジしたりするのもおすすめです。
    ゆにでは、2020年2月~3月に、京都市内で、障害者の生活を支援するヘルパーを養成する研修を2つ予定しています(クリックすると詳細をご覧になれます)。

    いずれも、重度訪問介護や同行援護を行っている事業所でヘルパーとして働くための資格を取得できる研修で、受講料の学生割引があります。
    さらに、実際にヘルパーとしてアルバイトで働いてみたいという方は、ゆにの登録ヘルパーに応募していただくことも可能です(詳細は採用情報をご覧ください)。
    学生の時期に障害者の生活やその支援の基礎について学んでおくことは、福祉分野での就職を目指す方はもちろんのこと、「多様性」や「共生」といったことが注目される今日では、どの分野で働くにしても確実にプラスになります。
    現在福祉系学部で学んでいる方も、これまで障害者と関わったことのない方も歓迎です。
    これまでの受講生のなかには、高齢者施設への就職を目指していて、今後関わるであろう高齢者のなかに障害者もいる可能性があるので、障害者支援についても学んでおこうと受講された方、福祉系ではない分野での就職が決まっていて、今後仕事で関わる人のなかに障害者もいるかもしれないので学生のうちに学んでおこうと受講された方もいらっしゃいます。
    皆さんの春休みのチャレンジの一つとして、ぜひ受講してください。

    何か新しいことをはじめたい方にもおすすめ、PCテイク

    また、ゆにでは、聴覚障害者の「耳の代わり」となって、学校の授業等の音声情報をパソコンに入力して文字で通訳する「PCテイク」のスタッフ(情報保障スタッフ、アルバイト)も募集しています。
    PCテイクは、多くのスタッフが「未経験」からスタートしていますので、新しいことにチャレンジしたいという方にもおすすめの活動です。
    インターネットを介して活動できるため、学業や他のお仕事の合間に自宅等で活動することが可能です。
    一定のタイピングスキル(1分間に150文字以上の入力)がある方であれば、必要な知識や技術はスタッフが一からしっかりとお伝えします。
    情報保障スタッフは随時募集しています。
    面接や研修の日程は、ご都合にあわせて個別に調整します。
    関心のある方は、採用情報をご覧のうえ、ぜひご応募ください。

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    ゆにでは他にも、交流会等のイベントを不定期に実施しています。
    ホームページやFacebookTwitter等で随時ご案内しますので、ぜひご参加ください。

    遠隔情報保障における雑音低減について

    遠隔情報保障における音質の課題

    以下の記事はある程度技術的な内容を含みます。
    PCのオーディオ周りをある程度理解した人向けの記事です。

    様々な事情により情報保障者が現地に入れない場合に遠隔情報保障を行うことが多くなりつつあります。
    そこで課題になるのが通訳対象の音声(例えば講師の声)に混じって届く雑音です。講師の声以外でも音声情報として聞き取れれば通訳するべきかとは思いますが、音声情報としては聞き取れないただの雑音として届く音も多くあります。(周囲の人の私語や空調機の音など)現地で生の音声を聞いていると雑音はそれほど気になりませんが、通信を通して聞こえる雑音は場面によっては大きな妨げになります。
    あまりに雑音が多いと本来情報保障すべき音声が聞き取れなくなってしまい、情報保障の質にも影響してきます。
    本来は雑音そのものを減らすことを考えるのが第一ですが、(私語を注意してもらうとか、空調機から離れた場所にマイクを設置するとか)それらができない場合でも、情報保障者側で雑音を軽減できないかを考えてみます。

    雑音を低減するには

    Wikipediaによれば人の話し声の高さはだいたい500Hzから1000Hzに収まるそうなので、それ以外の周波数の音を低減することで雑音の音量を下げ、話し声だけを聴くことができそうです。
    そのために使えそうなソフトがVoicemeeter Bananaです。仮想の再生デバイスとして動作し、通常スピーカーから流れる音をVoicemeeter Bananaというミキサー・イコライザーを通してから出力することができます。
    PC内部の音声データの流れは以下のようになります。

    音声を出力するソフト(遠隔情報保障システム・ブラウザ等)
    →Voicemeeter Input(仮想再生デバイス)
    →Voicemeeter Banana(ミキサーソフト)
    →スピーカー/イヤホン(本来の再生デバイス)

    Voicemeeter Bananaのインストールと設定

    Voicemeeter Bananaのサイトからインストーラをダウンロードし、インストールします。
    インストールが完了するとミキサーソフトに加え、OSに仮想再生デバイスと仮想録音デバイスがインストールされます。
    OSの設定で既定の再生デバイスを「Voicemeeter Input」に設定します。「Input」とはミキサーから見ての「入力」なので逆向きに感じるかもしれませんが、このように設定します。(というかこのようにしか設定できません)
    既定の再生デバイスの設定はWindows10とWindows7ではかなり操作方法が変わってしまったので、以下のサイトを参考にしてみてください。

    Windows7の場合
    https://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=011990
    Windows10の場合
    https://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=018138

    再生デバイスを設定しただけではミキサーに入った音が出てこないので(ミキサーが動作してないので)、PCから音が鳴らなくなってしまいます。
    まずは先程インストールした「Voicemeeter Banana」を立ち上げます。
    右上に出力先を設定するパネルがあるので、「A1」をクリックして、出力先を通常使うスピーカー(元々既定の再生デバイスとして設定されていたもの)に設定します。
    同じデバイス名でもWDMとかMMEとかが頭についていることがありますが、使えればどちらでも実用上あまり問題はないかと思います。
    Voicemeeter Bananaの画面
    ちなみに、手元の環境ではWDMではうまく動作しませんでした。
    ここまでくれば通常通り遠隔情報保障の音声がスピーカーやイヤホンから聞こえてくるはずです。
    さらに、雑音を低減するためのイコライザーの設定を行います。
    先程「A1」を出力先に指定したので、右下の「MASTER SECTION」の一番左「A1」の列の「EQ」をクリックしてイコライザーを有効化します。(青文字になれば有効状態)
    今度は「EQ」を右クリックして、出てきたウィンドウでイコライザーの設定を行います。
    左から50、200、800、2000、8000、12000Hzと各音域のレベルを調整できます。
    右上がりや右下がりになっているボタンをクリックして聞こえやすいように調整します。
    最適な設定は状況や聞く人の好みにもよるかと思いますが、こちらの環境では50~800Hzをしぼり、2000Hzはそのまま、8000~12000Hzはしぼる、という山型の形状にするとある程度教室内のノイズを低減してくれるように感じます。
    設定の一例は以下の画像のようになります。
    イコライザー画面
    話者の声が高いか低いかでも聞き取りやすい設定は変わるので、聞きながら微調整してみてください。
    あとはイコライザー設定ウィンドウを閉じて、通常通り遠隔情報保障をするだけです。
    イコライザーがむしろ邪魔だと感じたら「EQ」をクリックして無効化する(灰色の文字にする)とイコライザーのかかっていない普通の音声が聞こえてくるはずです。

    注意事項

    PCの電源を切ってもOSは既定の再生デバイス設定を記録しているため、遠隔情報保障をする際には毎回忘れず「Voicemeeter Banana」を立ち上げることです。そうしないと自分のスピーカーやイヤホンから音が出ません。(音声を中継するミキサーが立ち上がっていないため)
    また、合わない、使わないという場合には既定の再生デバイスを通常のスピーカーに戻しておきましょう。
    戻し忘れて、Voicemeeter Bananaも立ち上げ忘れるとSkypeなど遠隔情報保障以外でも音声が届かない、聞こえないトラブルのもととなります。気をつけましょう。
    またイコライザーを設定したままPCで音楽を聴くと変に聞こえるかもしれません。
    音楽などを聴く際にはEQを切っておくかVoiceMeeterBananaを既定の再生デバイスから外し、通常のスピーカーを利用しましょう。