文字情報保障サービスの利用にあたって

文字情報保障の性質

当法人の文字情報保障サービスは、「音声による情報」を文字で通訳することによって保障するサービスであり、誰もが参加しやすい場を作ることを目的とします。
そのために、できる限り早く、正確な、読みやすい文字情報の提供を心がけます。 ただし、状況によっては遅れが生じること、聞き間違い、書き間違い等が生じることがあります。 リアルタイムに対応するため、完全に正確であることを保証できるものではありません。

利用にあたってのお願い

情報保障を利用した誰もが参加しやすい場の実現には、その場の他の参加者の協力も不可欠です。 発言時に毎回名乗ること、同時に複数人が発言しないこと、早口になりすぎないこと、情報保障の遅れを前提とした場の運営などを場の参加者相互で心がけてください。
より確実な情報保障ができるよう、資料の事前共有にご協力ください。事前に予習することでより精度が高くなります。 利用者や一般参加者に提供される資料に加え、話者や主催者側で用意する資料や原稿についても共有してください。 公知ではない資料・情報の取り扱いについて当法人は守秘義務を負います。

情報保障ログの提供について

情報保障のログは音声情報の文字による保障を目的として書かれたものです。 原則として依頼終了時点でログは削除します。 削除後にログ提供の依頼があっても対応することはできません。 事前にログ提供の依頼があった場合は、提供できる場合があります。 提供先は依頼者、主催者、直接の情報保障利用者に限ります。第三者には提供しません。 ウェブシステムを利用した情報保障の場合、利用者の端末に残ったキャッシュ等からログデータを取り出すことが技術的には可能な場合があります。利用者自身によるログデータの保存はご遠慮ください。 当法人の外部の端末等に保存されたキャッシュデータの利用については当法人では責任を負いません。 特に取り扱いに注意を要する情報を扱う場合には予めご相談ください。

ログの利用に関わる注意事項

ログを利用される場合には以下の点について予めご了承ください。

  • 記録としての文字起こしと、通訳としての文字情報保障は性質が異なります。
  • 文字情報保障は通訳として情報を伝えるものであり、一言一句を文字に変換するものではありません。情報保障ログには省略・補足・言い換え・聞き間違いなどを含む可能性があります。
  • 文字情報保障はその場でのコミュニケーション保障のための通訳として提供するものであり、事後的に記録としての正確性を保証するものではありません。
  • 情報保障ログは記録のための文字起こしの作業ベースとしては一般的にはあまり適しません。
  • 録音・録画データから当法人で文字起こし・字幕作成を別途行うことができます。記録として必要な場合はご検討ください。
  • 原則として入力機側のログを提供します。情報保障システムの仕様上、一時的なネットワークの途切れによるデータの欠落などの可能性もあり、利用側で表示されたものとは内容が異なる可能性があります。また、機器やソフトウェアの不具合等により、ログが提供前に一部または全部消失する可能性があります。
  • 提供したログの中身について事後的には当法人では責任を負いません。ご自身の責任でご利用ください。
  • その他、依頼元機関におけるログ利用のポリシーがある場合にはご相談ください。

文字情報保障ログの「記録」としての利用について

情報保障は利用者のその場への参加可能性を上げることを目的としています。記録目的で書くもの(文字起こし・記録メモ等)と文章の内容が一致する場合もあれば、完全には一致しない場合もあります。 情報保障は通訳として、早さ、正確性、伝わりやすさのバランスをとりながら、状況に応じて優先度を変えながら書きます。例えば、呼びかけなど反応が求められるときは早さを最優先とし、文言の引用などの表現の正確性が求められる場合などは多少遅れてもなるべく正確に書きます。 確定文の表出までには平均8秒程度の遅れが生じるため、指示語などは、遅れて読んでも伝わるような書き方に置き換えることがあります。 そのため、情報保障ログの中には、結果として記録としても使えるような部分、通訳としては適正でも記録としては不適な部分、あるいは聞き違いなどにより通訳としても不適な部分が混在します。
情報保障ログは通訳を目的に実施した作業の結果であり、「記録」を目的として作成された文章ではないことを理解した上で利用してください。