障害平等研修(DET)~どんな人も差別しない・排除しない組織づくり・地域づくり~

NPO法人ゆに(DET関西)では、障害者差別解消法を推進し、誰も「仲間はずれ」にせず、差別や排除のないインクルーシブな社会を実現するために、企業・行政機関・教育機関・団体等の組織を対象に、障害平等研修(DET)を行っています。

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DETとは

障害平等研修(Disability Equality Training: DET)は、障害者差別解消法を推進するための研修です。参加者は、対話を通じた「発見」を積み重ねていくなかで、差別や排除といった社会のなかにある様々な「障害」を見抜く力を獲得し、それらを解決していくための「自分自身の行動」を形成します。これにより、研修を実施する組織や地域が、障害者を含むすべての人々にとって、差別や排除のないインクルーシブなものとなることを指向します。障害者がファシリテーターとなって行うワークショップ型の研修で、全国の企業や団体、行政機関、教育機関等、様々な組織において実施されています。

DETの実施状況等については、特定非営利活動法人障害平等研修フォーラムのホームページをご覧ください。

また、DETについてより詳しくしりたい方は、以下の書籍をご参照ください。
久野研二 編『社会の障害をみつけよう――一人ひとりが主役の障害平等研修』現代書館

*NPO法人ゆに(DET関西)は、日本でDETの教材開発やファシリテーター養成等を行う「特定非営利活動法人障害平等研修フォーラム」の「DETパートナー」です。

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こんな組織の方におすすめ

  • 障害者差別解消法に対応し、障害者に対して適切な「合理的配慮」を実施できるようにしたい方。
  • 人権研修、ダイバーシティ研修、新任研修、役職者研修等で「障害」を取り上げたい方。
  • 教育機関の福祉教育や人権教育、FD/SD等で「障害」を取り上げたい方。
  • 障害者と直接関わりながら「障害」について学べる研修を実施したい方。
  • 障害者を含むすべての人に利用しやすいサービスや製品を提供したい方。
  • 障害者を含むすべての人が参加できるイベントや事業を実施したい方。
  • 障害者を含むすべての人が働きやすい職場にしたい方。
  • 障害者サービス担当者だけでなく、全組織的に「障害」に関する取り組みを進められるようにしたい方。
  • 単に研修だけ実施して終わってしまうのではなく、実際に取り組みを行うところまで実現したい方。
  • 障害者支援やインクルーシブ教育等の日々の取り組みを見つめ直し、さらに充実させたい方 等。

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障害者差別解消法を推進するDET

障害者差別解消法は、「行政機関等」及び「事業者」が、障害者に対して、障害を理由として「不当な差別的取り扱い」をすることを禁止しています(同法第7条第1項、第8条第1項)。また、障害者が障害者でない人と同じようにサービスを利用したり事業に参加したりするために必要な「合理的配慮」を提供することを求めています(第7条第2項、第8条第2項)。さらに、これらを適切に実施するための研修の実施を求めています(第5条)。
障害に関する研修を実施すると、参加者からは「差別はだめだよね」、「障害者支援は必要だよね」といった感想が比較的多く聞かれます。ただ、その後の具体的な取り組みについては参加者一人ひとりに委ねられがちで、一部の「意識の高い」構成員の自発的な行動を除けば、全組織的な具体的取組みにまではつながっていないことも多いのではないでしょうか。
一方で、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の実施は、障害者差別解消法によって「行政機関等」及び「事業者」に法的に求められていることです。したがって、それらは「わかっている」だけでなく、実際に組織的に「している」、「できる」という状態でなければなりません。
そこで、障害を差別や排除などの社会の問題として捉え、それらの解決のための具体的な行動を指向することができるプログラムとしてDETが注目され、官民問わず各方面で実施されるようになってきています。
*参考:障害を理由とする差別の解消の推進(内閣府ホームページ)

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DETの特徴

社会にある「障害」を見抜く目を獲得できる

DETは、障害は個人の心身の機能の問題ではなく、差別や排除といった社会・環境の問題によって生じるという「障害の社会モデル」の考え方を基礎としています。これは障害者差別解消法を含む日本の障害者政策や、国連の障害者権利条約の基礎となっている考え方です。DETに参加することで、この視点で身近にある様々な「障害」を見抜く目を獲得し、差別の撤廃や合理的配慮の実施等、社会・環境にある「障害」を解決する行動ができるようになります。

具体的な「行動」に繋がる

DETは、「障害者支援は大切だよね」、「差別はだめだよね」で終わるのではなく、研修終了後、参加者が研修の成果を踏まえて実際に「行動する」ことをゴールとしています。研修当日は、参加者の所属組織や日々関わる地域等にある「障害」を見抜き、その解決のために自らが具体的にどのように行動するかを考えます。さらに、研修終了後、それら具体的な行動を行う上で必要な情報提供等のサポートも適宜行います。

発見型学習

DETは講師が「教える」研修ではありません。参加者自身が、視覚教材を活用した「対話」のなかでの「気付き」を積み上げることで学びを深めます。これにより、参加者自身による主体的な行動を指向します。

講師(ファシリテーター)は障害者自身

特定非営利活動法人障害平等研修フォーラムの登録ファシリテーターである「障害者」がファシリテーターを務めます。自身も社会のなかで実際に様々な「障害」を経験しているファシリテーターとともに「障害」について学び、考えることができます。

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DETの標準的な実施モデル

研修内容は、ご依頼者様の状況に応じて個別に調整しております。
以下、標準的なDETの例です。

研修の目標(例)

「研修終了後、私(参加者自身)は、私が所属する○○(組織名)の実施する事業が、障害者を含むすべての人が参加(利用)しやすくなるよう行動する。」
*研修目標はご依頼者様と協議して定めます。

内容

  • 障害とは:「障害」とは何なのかを、資格教材を用いながら対話を通じて考え、身近にある様々な「障害」を見抜く目を形成します。
  • 行動形成:上記を踏まえ、参加者の所属組織や地域等にある「障害」を分析し、それらを解決するために「自分自身」が実際に行う「行動」を考え、行動リスト(行動計画)にまとめます。

*研修終了後、適宜、行動リスト(行動計画)の実践のためのフォローアップを行います。

形式

グループワークを中心としたワークショップ型です。視覚教材を活用し、対話を通じた「発見」を積み重ねることで学びを深めます。
*対面での実施を推奨しますが、オンラインでの実施も可能です。

所要時間

中休憩を含め3時間~3時間半が目安です。
*時間の調整は可能ですが、研修の形式上、短時間になるほど十分な効果を得ることが難しくなります。

定員

効果的に実施するには20名程度が目安です。
それ以上の人数でも実施は可能ですが、研修の形式上、大人数になるほど十分な効果を得ることが難しくなります。特に30名以上の場合は分散開催をご検討ください。

講師(ファシリテーター)

特定非営利活動法人障害平等研修フォーラムの登録ファシリテーターが担当します(ファシリテーターの人数は参加者の状況によります)。

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DETを取り入れた研修・学習プログラム

DETの一部(または全部)と体験型アクティビティ等と組み合わせて「障害」を切り口として学ぶプログラムをアレンジすることも可能ですので、ご相談ください。

DETを取り入れたプログラム例

  • インクルージョン(誰も仲間はずれにしない)実践体験プログラム:DETの一部+障害者を交えたレクリエーション(全員で楽しめるルールを自分たちで考えて実践)
    →教育機関での福祉教育、人権教育、体験学習、課外学習、修学旅行中のグループプログラム、企業や団体の教養研修、障害者支援従事者の基礎研修等。「障害」を切り口として、誰も仲間はずれにしないインクルーシブな社会・環境を自分自身の行動によってつくることを体験的に学ぶことができます。
  • 障害インクルーシブサービス研修:DETの一部+障害者とのコミュニケーションの基礎+移動介助の基礎
    →公共機関・店舗・交通機関等の接客・接遇研修、窓口対応研修、障害者支援従事者のステップアップ研修等。解除技術だけでなく、技術をフルに活かすための視点と方法も身に付き、障害者を含むあらゆる人々にとって利用しやすく質の高いサービスを継続的に実施できるようになります。
  • 街/観光地のアクセシビリティ研修(概ね10名以下のグループ向け):DETの一部+障害者と一緒に街歩き/観光(アクセシビリティチェック)+分析ワークショップ
    →教育機関の体験学習・課外学習、修学旅行・研修旅行の体験型プログラム、障害者支援従事者のステップアップ研修等。障害者と協力し、身近にある「障害」を発見・分析し、その現実的な解決策を考え、発信する力を身につけることができます。

*参考:「課題発見のメガネ(視点)をもって」学生サポーター養成講座を実施|健康サポートセンターだより|京都外大オフィシャルブログ|京都外国語大学・京都外国語短期大学

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ご依頼・お問い合わせ先

NPO法人ゆに 事務局
Web窓口
Email: info@unikyoto.com
TEL: 075-468-1633
FAX: 075-468-1666

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